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柳泉園組合「クリーンポート」管理運営の長期包括委託 議案提出へ

安全・安心・安定の柳泉園組合実現を
2016年8月22日

東久留米市下里4丁目にある柳泉園組合の廃棄物焼却施設である「クリーンポート」の運営が大きな岐路にあります。建設から16年目をむかえている「クリーンポート」は大規模な補修が必要となっています。柳泉園組合では、この大規模補修とあわせて定期点検などの計画作りなども含めた「クリーンポート」の管理運営全般を長期に民間事業者に委託する方針を示しています。市民生活に欠かせない廃棄物処理をどのように行なっていくか市民の理解を得る取り組みが柳泉園組合に求められています。

長期包括委託のメリットとデメリット

柳泉園組合は7月8日、組合議会の全員協議会を開催して「クリーンポート長期包括運営管事業」を説明しました。今年度中に総合評価一般競争入札により事業者選定を行ない、運営期間は2017年7月から15年間となる2032年までとしています。

一般的に廃棄物の焼却炉は30年から40年で対応年数をむかえ、建て替えを検討しなければならなくなります。市民と行政の協力によりごみの総量は減少傾向にあるものの、現状では生ごみなどの一般家庭から排出される可燃ごみは粗大ごみなどから出る可燃性廃棄物とあわせて焼却処理する必要があります。清瀬・東久留米・西東京からでる廃棄物の焼却処理を継続していくために、「クリーンポート」の大規模補修は不可欠です。

これまで柳泉園組合では「クリーンポート」の様々な部品や装置の交換を含めて毎年定期点検を実施してきました。焼却炉はそれを製造するメーカーによって仕様も異なることから柳泉園組合ではその建設にも携わった住重環境エンジニアリングに随意契約でこれらの工事を委託しています。

柳泉園組合がこれらの定期点検なども包括して委託することで請け負う事業者は、人員の確保や薬剤や資材の長期的見通しにたった調達が可能になることや、運転員が大規模補修の保安要員をかねることができるようになることなどにより、単年度で委託する方式と比べて大きなコストメリットがあるとしています。

従来の方式を継続する形で単年度で委託契約をむすんでいく場合には2032年までの15年間で長期包括委託に該当する部分の経費総額は、187億9640万円になると試算しています。一方で、長期包括委託により15年間一括して委託した場合、同様の経費総額は144億4140万円となり、効果額は43億5500万円となるとしています。

これにともない柳泉園組合の構成3市が支払っている負担金も軽減され、包括委託を行なわない場合と比較して15年間の平均で毎年およそ2億9000万円の効果があるとしています。

一方で、長期包括委託を進めた場合のデメリットとして柳泉園組合としても「マンネリ化」をあげています。公共施設や図書館の指定管理者導入による民営化でも、不必要な経費の支出が行なわれる例が指摘されています。柳泉園組合の「クリーンポート」は様々な装置やセンサーの集合体であり、その補修や工事は高い専門性が要求されます。基本的に安全面から市民が立ち入れない施設がほとんどで市民の目によるチェックも期待できません。ともすると委託した事業者により不必要な工事や部品交換が行なれるかもしれません。「マンネリ化」とは、いわゆるなれあいのよう状況に陥り、事業者の提案を丸呑みにしてある意味言いなりになってしまうことを指しており、事業者の提案を適正にチェックして事業者のいいなりにならないようにしていくための体制が必要になります。

柳泉園組合では、基本的に24時間稼働する「クリーンポート」を4つの班の交代で運転しています。現在4班のうち2班を柳泉園組合の職員が、残りの2班を事業者に委託しています。今後は退職者不補充によりすべての運転業務を順次外部委託に切り替える計画です。長期包括委託を実施する場合、その事業者に数年後から段階的にこの運転業務を委託することを想定しています。

長期包括委託を実施した場合でも柳泉園組合としての事務は残るので、3年に1人ずつ採用をすすめ体制の維持をはかりますが、現在正規職員35名、再任用や臨時などを含めて47名以上いる職員は、長期包括委託の期間を通じて減少していき、15年後には正規職員は20名前後となり、全体としても30名をした下回る体制になる見込みです。

柳泉園組合の近隣地域における同様の施設でも、建設を担当した事業者による15年から20年の長期包括委託を選択する例が増えています。柳泉園組合も体制の面から、いったん長期包括委託を導入すると15年後も同じように焼却施設の管理運営は長期包括委託により行なわざるを得なくなります。

柳泉園組合に求められる課題

私は、柳泉園組合の役割から考えてその運営は以下の4点が重要だと考えます。ひとつになによりもまず安全であることです。昨年は排気ガスから水銀が検出されるトラブルが起こり、現在原因究明のための委員会がおかれ、対策が検討されています。このような問題が起こらないように対応するとともに起こってしまった場合でも再発防止にスピーディーに対応することが必要です。

ふたつには、周辺住民や構成三市の市民に情報提供や説明を通じて施設が安全であることがよく理解されて安心してもらえる施設とすることです。広報紙やホームページからの情報発信はもちろんですが、周辺住民の要望をよく聞いて便利に運営されているお風呂やプールなどの更生施設の役割も引き続き重要です。

みっつには、家庭から出る廃棄物を処理するための施設であることから安定的に運転され、必要な処理を継続して行なえるようにしていくことです。トラブルにより「クリーンポート」が運転停止となれば、近隣の同様の施設に廃棄物処理を依頼することになりますが、これには大きな費用が必要となりますし、市民生活にも影響を及ぼしかねません。また、自然災害への備えも不可欠です。

そして最後に構成3市が負担している負担金も税金であるのでそれがより安価になるように工夫されることです。

8月24日には柳泉組合議会定例会でこの長期包括委託の是非が問われる補正予算について質疑と採決が行なわれる予定です。この場では、以上の4点の立場からこの計画が市民のためになるものであるかについてしっかり議論したいと思います。そして、あらためて長期包括委託のコストメリットの根拠となっている試算が適正なものであるかや他の施設での事例などについて質問したいと考えています。


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